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イベントレポート:Silvaco Japan EDA Seminar 2016

2016年11月17日、プロセス/デバイス・シミュレータおよびアナログ、ミックスド・シグナル、RF設計向けツールを中心に各種EDAソリューションを展開するSilvacoの日本法人シルバコ・ジャパンは、同社のプライベートセミナー「Silvaco Japan EDA Seminar 2016」を開催した。

イベント案内ページ

ここでは「Silvaco Japan EDA Seminar 2016」の様子をレポートする。

セミナーの会場はシルバコ・ジャパンがオフィスを構える横浜ランドマークタワーの会議スペースで、セミナーにはざっと100名以上の参加者とパートナー企業9社が集まった。

セミナーの冒頭に行われたのは、「日本の強みと残すべきもの!」と題した、リボンディスプレイジャパン株式会社 代表取締役社長 須山 透氏による基調講演。

リボンディスプレイジャパンは、元パナソニックの須山氏が2014年に設立したLCDドライバに特化したファブレス・ベンチャーで社員は現在22名。創業3期目にもかかわらず既に売上50億円以上と驚異的な実績を叩き出している。

須山氏は講演を通じて、同社の成功に繋がったと思われる考え方を幾つか紹介してくれたが、「日本メーカーが負けてしまったのはセットであって部品では負けていない」というのが持論で、リーマンショック後の為替高を乗り越えた強い製造会社らとチームを作る事で、大手メーカーに頼らない垂直統合/水平分業のハイブリッド運営体制を実現し、圧倒的な低価格化によって台湾・韓国の競合企業からLCDドライバのシェアを取り戻しているという話だった。ちろん同社はSilvaco製品のユーザーの一社である。

※リボンディスプレイジャパンの須山社長


続いて登壇したSilvaco本社CEOのDavid L.Dutton氏は、テクノロジ・アップデートとして同社の実績と今度の展望について講演した。

David氏によると、同氏がCEOに就任した2014年以降、Silvacoの業績は順調に推移しており、2015-2018年において売上倍増を目指しているとの事。その実現に向けてこの2年で既に関連企業を計4社買収しており、既に次の買収ターゲットも確定している事を示唆。同社の主戦場であるディスプレイ、先端CMOS、パワーデバイス以外の自動車やIoTといったドメインにおいても、EDA、TCAD、IPをはじめとするSilvacoのソリューションの更なる浸透・成長を見込んでいるという。

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※Silvaco CEO David L.Dutton氏の講演資料(近年のM&Aについて)


ちなみにIPextreme社の買収によって力を入れ始めたIP事業は、現在のところ自動車を大きなターゲットとしており、半導体ベンダとの協業によりマイクロコントローラIPやネットワークIPなどを手掛けているという話で、具体的にはNXPをはじめとする大手IDMからLSIとして量産実績のある内部回路をIPとして抜き出し製品化するというユニークなビジネスモデルのIP販売を展開している。
 
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※Silvaco CEO David L.Dutton氏の講演資料(IPビジネスモデル)



招待講演として登壇したのは、USアトランタに本社を構えるアナログIPベンダーSilicon Creations社 Vice President兼CTO Jeff Galloway氏。同氏は「Robust 7nm to 350nm Design flow with Silvaco」と題してSilvacoツールを使用した自社の設計環境の取り組みと先端プロセスでの設計において対応すべき事について紹介した。

アナログ設計のエンジニアに向けて様々な技術ノウハウが紹介されたが、興味深かったのは同社におけるPDKの扱いで、ファンドリが提供するPDKを用いるという一般的なデザインハウス各社の設計手法と違い、Silicon CreationsではベースとなるPDKをSilvacoツールを使用して自社で開発しているとの事。これは9社にもおよぶファンドリの各プロセスに対して設計資産を再利用するための工夫なのだという。

また、検証手法についてもSERDES回路を例にとり、独自のVerilogモデル化によるシステム検証手法を紹介。Jeff氏によると、独自のVerilogモデルを用いたシステム検証結果は、SPICEシミュレーション結果と波形の上で差が無く、SPICEで4日かかる検証をわずか1分と大幅に検証工数を減らす事が可能という話だ。
更にJeff氏は、プロセスの複雑さに伴うDRCルール項目の増加、検証時間の増大などFinFETをはじめとする最先端プロセスの設計課題についても触れ、今後懸念される寄生RCの影響増加やばらつきの問題に対しての取組についても紹介した。

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※Silicon Creations、Jeff Galloway氏(Vice President兼CTO)


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※Silicon Creations、Jeff Galloway氏の講演資料(Silvacoツールを利用した独自PDK開発の説明)


その後のSilvacoからの技術セッションでは、低消費電力設計LSIやPMICなどに向けたパワー解析ツールInVar、先端プロセスでの設計で効果的な寄生素子リダクションツールJivaro、ばらつき考慮設計に対応するツールVariation Manager、最後にIPの紹介と続き、近年のM&Aで取得した新しい製品を中心に紹介が行われた。

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パワー・インテグリティ セッションで紹介された3D熱解析


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寄生RC解析セッションで紹介されたリダクション後の精度評価

 
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Variation Awareセッションで紹介されたFast Monte Carloでの削減効果


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IPセッションでのラインナップの紹介


 
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※セミナー終了後の交流会にて (左から、シルバコ・ジャパンGM古井氏、Silvaco Chairman Pesic氏、Silicon Creations CTO Galloway氏、Silvaco CEO Dutton氏)


株式会社シルバコ・ジャパン

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =

(2016/12/23 ) | トラックバック(0)

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