NEWS

 
SIEMENS
s2c
 

シノプシス、高速SPICEを統合した新製品と論理シミュレータ「VCS」の新機能を発表

2009年4月7日、シノプシスは、同社の検証統合プラットフォームの最新版「Discovery 2009」を発表した。

プレスリリース文

シノプシスの検証統合プラットフォーム「Discovery」は、論理シミュレーターとSPICE/高速SPICEを核に構成されるアナログ・ミックスドシグナル検証とデジタル機能検証の統合検証ソリューション。今回発表された「Discovery 2009」では、論理シミュレーター「VCS」の機能強化と高速SPICE製品群の統合が図られた。

「Discovery 2009」の目玉の一つである「VCS」の機能強化は、新しいマルチコア・テクノロジの搭載による処理速度の向上で、マルチコアCPUを用いた分散処理により従来製品の2倍の検証スピードを実現する。具体的には、テストベンチ生成/アサーションベース検証/カバレッジ解析/デバッグなどのアプリケーション(検証タスク)レベルの並列処理とデザインレベルの並列処理の両方が可能となり、検証環境全体で並列処理を実行できるようになった。既にAMDの検証センターでは、Quad-Core AMD Opteronプロセッサ上でのVCSによる高速シミュレーションを実行しているという。

「VCS」マルチコア機能に関するプレスリリース文

もう一つアナログ・ミックスドシグナル検証における大きな目玉は、「NanoSim」、「HSIM」、「XAオプション」という3つの高速SPICE製品を統合した新製品「CustomSim」の登場。「CustomSim」は、個別製品として存在していた3つの製品を一つのカイロシミュレータとして統合しただけでなく、「VCS」同様、新たなマルチコア機能が搭載されており、検証スピードは最大4倍にまで引き上げる事が可能。デジタル・シミュレータ「VCS]とダイレクト・カーネル・インターフェイスで接続し、高速なミックスドシグナル・シミュレーションを実行することができるという。

「CustomSim」に関するプレスリリース文

尚、今回刷新された「Discovery 2009」では、RTレベルからトランジスタ・レベルまでの各抽象レベルに対応したローパワー検証機能がサポートされており、シノプシスが今年2月に発表した「VMM-LP」で定義されているような、多電源設計を考慮したシミュレーション、パワー・アサーション記述の自動化、完全な検証カバレッジの達成を「VCS」と電圧考慮のRTLシミュレータ「MVSIM」の組み合わせで実現可能。また、「CustomSim」を利用すれば、IRドロップ解析やリーク電流問題の検出など、トランジスタレベルでの高精度な検証も可能だという。

関連記事:
シノプシス、アーム、ルネサスの3社がローパワー設計の検証本「VMM-LP」を完成

日本シノプシス株式会社

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =

(2009/04/08 )

 

ページの先頭へ