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3日で最大30層のプロトタイプ基板を作ってくれるTempo Automationという会社

先ごろ初の資金調達でベンチャーキャピタルから計800万ドルの投資を受けたTempo Automationという会社がサンフランシスコにある。

Tempo Automationホームページ

Tempoは、プリント基板のプロトタイプを僅か3日間で作成し納品してくれるという会社で、独自に構築した少量生産向けの基板製造システムを武器にAmazonのようなビジネス手法で顧客を集めている。少量生産向けというのが同社の特色かつ狙いであり、大量生産向けの設備を強制させられる事にアンチな姿勢を示し、ソフトウェア開発と同等のスピード感でハード開発を進める事を目指している。

Webサイトの情報によると、プリント基板製作の見積もりは最短で2時間以内、遅くとも24時間以内に回答。プリント基板の製作から納品までの時間はサンフランシスコのベイエリアなら3日、その他アメリカ国内であれば4日としている。(※海外発送に関する情報は見当たらない)

同社にプリント基板の製作を依頼する際は、最大8層、100枚までの「STANDARD PCB」か最大30層、250枚までの「CUSTOM PCB」のいずれかを選択。デザイン・ファイルをTempoのサーバーにアップロードし、仕様書とパーツリスト/パーツ番号といった情報を送ると数日後には見積り通りのプリント基板が納品される。プリント基板の発注は1枚から可能で、その費用については情報が開示されていない。

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※画像はTempo社Webサイト上のデータ

Tempoはプリント基板の発注者向けにAltium, Eagle 2 Layer/4 Layer/6 Layerのデザインルール・ファイルを提供しており、同社のWebサイトからダウンロードできる。これらツールとは別にCadence,Mentorのツールにも対応してくれるようである。

Tempoではプリント基板を製作する過程で独自のDFMチェックを行い品質を担保しており、もし納品後にプリント基板の不良が見つかった場合は無料で作りなおしてくれる。なお、同社のビジネスはあくまでもプリント基板の製作のみでデザインサービスは行っていない。

同社の主なターゲットはスタートアップ企業だが、大手企業も顧客に名を連ねているらしく、ビジネスは急成長している様子。ターンキーサービスとしての効率化を追求した独自の製造システムにTempoの強みがあるようだ。

Tempo Automation

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =

(2016/07/21 )

 

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