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CEVAの新製品、性能強化されたエッジAIプロセッサとチップレット向けセキュリティIP

2022年1月6日、DSPコアを手掛けるCEVAは新たなエッジAI向けのプロセッサ・アーキテクチャ「NeuPro-M」を発表した。

プレスリリース

「NeuPro-M」は既存のAIプロセッサ「NeuPro」の後継となるプロセッサで、アーキテクチャの刷新によりパフォーマンスが大幅に引き上げられた。
CEVAの説明によると「NeuPro-M」のパフォーマンスは既存の「NeuPro」の5〜15倍。製品としては「NPM」と呼ぶエンジンを1つだけ搭載する「NPM11」コアと8つのエンジンを搭載する「NPM18」コアがあり、それぞれ最大20TOP/160TOPSの処理能力(1.25GHz動作)、CEVAは各コアをスケーラブルに利用することで最大1200TOPSの処理が可能としている。

エンジン「NMP」の中には、2〜16ビット混合精度の4K MAC、畳み込み時間を半減し0.5%未満の精度で8ビットの畳み込み処理が可能なWinograd変換エンジン、レイヤーごとにゼロ値の重みまたはアクティブ化を回避するスパース性エンジン、プログラム可能なベクトル処理ユニットが含まれており、従来製品比5倍以上の演算パフォーマンスでディープニューラルネットワークの多様なワークロードを処理すると同時に、メモリ帯域幅の削減(6分の1)、最大24TOPS/ワットのエネルギー効率、プロセッサ全体の使用率90%以上を実現するという。

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なお「NeuPro-M」は、豊富なオプションでセキュリティ性も高められているほか、自動車分野を意識した機能安全規格への対応も行われており、「NeuPro-M」コアとその開発環境「CDNN(CEVAディープニューラルネットワーク・コンパイラ)」およびソフトウェアツールキットは、ISO26262 ASIL-Bに準拠し、自動車業界の品質保証規格IATF16949およびA-Spiceを満たしているとのこと。CEVAのAIプロセッサとCDNNを採用している数十の顧客の中には、ADAS向けに利用している顧客もいるようだ。

もう一つのCEVAの新製品は、チップレットのダイ間通信用のセキュリティIPで2022年1月26日に発表された。

プレスリリース

新製品「Fortrix™SecureD2D IP」は、ヘテロジニアスSoC内の異なるチップレット間の安全なデータ通信を可能にするハードウェアIPで、昨年5月に買収したIntrinsix社の技術がベースとなっている。具体的には、ECDSA、SHA2、AESなどの暗号化機能を有効にするために高速暗号化と復号化を実行するハードウェアベースの暗号化アクセラレーターとセキュア・ファブリックを介して通信するコントローラーで構成されている。


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※画像は全てCEVA Web上のデータ

CEVAによると同セキュリティIPは、米国防総省のチップレットシステムの開発プログラム(SHIP)で活用されているほか、ロッキードマーティンや大手半導体企業によってすでに採用されているという。

CEVA

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =

(2022/02/01 )

 

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